黙示録12章
12:1 また、大きなしるしが天に現れた。一人の女が太陽をまとい、月を足の下にし、頭に十二の星の冠をかぶっていた。
この章の内容は、いわゆる艱難時代の一連の裁きの記述が中断されて、挿入になっています。それは、十四章に及びます。内容は、イスラエルがイエス様を生み出すことから始まり、艱難時代の裁きの最後まで記されています。ここには、艱難時代の裁きが、サタンの働きとの関連でほぼ時間的順に従って記されています。それは、この世界に現わされた現象の面から艱難時代を記すのではなく、霊の世界の出来事の面から記しているのです。ただし、出来事は、「また、私は見た。」と始まるまとまりが主題ごとに記されていますので、時間的な順は、入れ替わることがあります。
一人の女は、イスラエル民族を表しています。四節に記されているように、彼女は、男の子を生み、その子は、鉄の杖をもって全ての国々を裁くことになるからです。男の子とは、主イエス様を表しています。ですから、彼女はイスラエル民族を表しています。また、以下の聖句によります。
黙示録
12:17 すると竜は女に対して激しく怒り、女の子孫の残りの者、すなわち、神の戒めを守り、イエスの証しを堅く保っている者たちと戦おうとして出て行った。
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「女の子孫の残りの者」と記されていて、その人々を生み出す母体であるイスラエル民族を表しています。
太陽は、神の栄光を表し、月は、その栄光を受ける人を表しています。彼女が、諸国民を支配するとき、彼女は、神から与えられる栄光のゆえに輝くのです。月を足の下に踏んだことは、いわゆる千年王国時代に約束されていることで、諸国の民を支配することを表しています。これが彼らに与えられた立場で、諸国の民の間で、彼らは宝の民として輝くのです。
十二の星の冠は、その数字によって、イスラエルが神の支配のもとにあることを表しています。また、神のものであることも表しています。星は、御使いを表します。冠は、栄誉を表しています。イスラエルが力をいただき、栄誉ある者とされているのは、イスラエル自身の力によるのではなく、彼らを守る御使いの働きによります。イスラエルに起こる出来事は、霊の世界の戦いの結果でもあるのです。
ダニエル書
12:1 その時、あなたの国の人々を守る大いなる君ミカエルが立ち上がる。国が始まって以来その時まで、かつてなかったほどの苦難の時が来る。しかしその時、あなたの民で、あの書に記されている者はみな救われる。
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ダニエル書に記されていることも、霊の世界の戦いとして記されています。
12:2 女は身ごもっていて、子を産む痛みと苦しみのために、叫び声をあげていた。
女は、身ごもっていて、子を生もうとしていました。
12:3 また、別のしるしが天に現れた。見よ、炎のように赤い大きな竜。それは、七つの頭と十本の角を持ち、その頭に七つの王冠をかぶっていた。
次のしるしが示され、赤い竜が現れました。七つの頭と十本の角を持っており、頭に七つの冠がありました。これは、悪魔です。そのことは、十二節で、赤い竜が「悪魔」と言い換えられています。赤は、血を表します。彼の赤は、小羊の血と対比されています。小羊の血は、自分の命を捨てて、命を与えることを表しています。しかし、悪魔の赤は、命を与えるかに見せて、永遠の滅びを与えます。
七つの頭は、かしらとしての権威を示しています。悪魔は、誰にも劣らない栄光が与えられていました。
エゼキエル書
28:12 「人の子よ。ツロの王について哀歌を唱えて、彼に言え。神である主はこう言われる。あなたは全きものの典型であった。知恵に満ち、美の極みであった。
28:13 あなたは神の園、エデンにいて、あらゆる宝石に取り囲まれていた。赤めのう、トパーズ、ダイヤモンド、緑柱石、縞めのう、碧玉、サファイア、トルコ石、エメラルド。あなたのタンバリンと笛は金で作られ、これらはあなたが創造された日に整えられた。
28:14 わたしは、油注がれた守護者ケルビムとしてあなたを任命した。あなたは神の聖なる山にいて、火の石の間を歩いていた。
28:15 あなたの行いは、あなたが創造された日から、あなたに不正が見出されるまでは、完全だった。
28:16 あなたの商いが繁盛すると、あなたのうちに暴虐が満ち、こうしてあなたは罪ある者となった。そこで、わたしはあなたを汚れたものとして神の山から追い出した。守護者ケルビムよ。わたしは火の石の間からあなたを消え失せさせた。
28:17 あなたの心は自分の美しさに高ぶり、まばゆい輝きのために自分の知恵を腐らせた。そこで、わたしはあなたを地に放り出し、王たちの前で見せ物とした。
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これは、ツロに関する記述ですが、悪魔のことです。
十本の角は、果たすべき責任と権威を示しています。エゼキエルの記述によれば、「あなたの行いは、あなたが創造された日から、あなたに不正が見出されるまでは、完全だった。」とあります。その責任を完全に果たし、美のきわみと言われたのです。
七つの冠は、彼の栄誉を表しています。彼には、美しさと輝きが与えられていたのです。
・「竜」→本来は「見る者」を意味し、遠くから獲物を見る巨大な蛇。サタンの比喩。
12:4 その尾は天の星の三分の一を引き寄せて、それらを地に投げ落とした。また竜は、子を産もうとしている女の前に立ち、産んだら、その子を食べてしまおうとしていた。
星は、御使いを表しています。天の三分の一の御使いを引き寄せたことは、自分のものにしたことを表しています。御使いは、霊です。この場合は、戦いで打ち負かしたことではありません。地上に投げたとしても、霊ですから、物理的に地上に落ちて、無力となるわけでもありません。また、御使いを滅ぼすことはできません。悪魔は、自分の思いを遂げさせるために、彼らを地上に送ったのです。彼らは、そこで神に逆らう働きをしたのです。イエス様の御在世当時も、悪霊は、働いていていました。この赤い竜としての悪魔の最初からの働きの経緯が示されている中で、悪霊たちの存在の経緯が示されているのです。それによって、悪魔がどのように働いてきたかが示されています。
悪魔は、女の産もうとしている子すなわち、鉄の杖をもってすべての国々を牧する神の御子を食い尽くそうとしていました。それは、御子の業の破壊を意味しています。十字架の御業の完成を阻止しようとしたのです。
12:5 女は男の子を産んだ。この子は、鉄の杖をもってすべての国々の民を牧することになっていた。その子は神のみもとに、その御座に引き上げられた。
女は、男の子を産みました。この子は。鉄の杖をもって全ての国々を牧そうとしている。
その生まれた子は、神の御座に引き上げられました。神の御許へ、そして、御座に引き上げられました。これは、イエス様が十字架の御業を成し遂げて、神の右の御座に引き上げられたことを指しています。
・「~することになっていた。」→まさに実行しようとしている時点;準備が整った、「起ころうとしている」。「一般的に、必ず起こる事象について」用いられる。
12:6 女は荒野に逃れた。そこには、千二百六十日の間、人々が彼女を養うようにと、神によって備えられた場所があった。
女は、荒野に逃げました。そこは、神によって備えられた場所であって、三年半の期間、神によって、日々、養われたのです。その場所は、「荒野」です。荒野については、以下の聖句があります。
黙示録
17:3 それから、御使いは私を御霊によって荒野へ連れて行った。私は、一人の女が緋色の獣に乗っているのを見た。その獣は神を冒涜する名で満ちていて、七つの頭と十本の角を持っていた。
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荒野は、大淫婦バビロンのいる場所で、この世を支配する者たちのいる場所です。そこは、荒れた不毛の場所で、神から離れた場所を表しています。大淫婦は、荒野にいましたが、大水の上に座っていました。大水は、諸々の国の人々を表しています。イスラエル民族は、荒野によって表される、神から離れた民の存在するところで養われました。
この出来事は、男の子が御座に引き上げられて次に起きたことです。イスラエルが世界中に散らされて、そこで養われることを表しています。
・「養う」→適切に養われる(養育され、世話される)。また、養われることによる霊的成長をもたらす(または経験する)。
12:7 さて、天に戦いが起こって、ミカエルとその御使いたちは竜と戦った。竜とその使いたちも戦ったが、
12:8 勝つことができず、天にはもはや彼らのいる場所がなくなった。
そして、天に戦いが起こりました。ミカエルは、あなた方の君と言われ、ユダヤ人のためのの御使いです。
ダニエル
10:13 ペルシアの国の君が二十一日間、私に対峙して立っていたが、そこに最高位の君の一人ミカエルが私を助けに来てくれた。私がペルシアの王たちのところに残されていたからだ。
10:21 しかし、真理の書に記されていることを、あなたに知らせよう。私とともに奮い立って、彼らに立ち向かう者は、あなたがたの君ミカエルのほかにはいない。
12:1 その時、あなたの国の人々を守る大いなる君ミカエルが立ち上がる。国が始まって以来その時まで、かつてなかったほどの苦難の時が来る。しかしその時、あなたの民で、あの書に記されている者はみな救われる。
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ミカエルとその御使いたちは、竜と戦い、勝ちます。竜とその使いにとって、もはや天にいる場所はなくなりました。
天に戦いが起こりました。悪魔とミカエルの戦いでした。彼らには、もともと使いたちがいたのです。悪魔とその使いたちには、天に、いる場所がなくなりました。
・「さて」→そして。女荒野に逃れた後です。
12:9 こうして、その大きな竜、すなわち、古い蛇、悪魔とかサタンとか呼ばれる者、全世界を惑わす者が地に投げ落とされた。また、彼の使いたちも彼とともに投げ落とされた。
それで、悪魔は、地上に彼の使いたちとともに投げ落とされました。この時点で、悪魔は、神の前に立つことができなくなります。彼は、古い蛇でエパを欺きました。また、告発者であり、非難する者です。
・「悪魔」→ディアボロス。誹謗者、虚偽の告発者。不当な批判で傷つけ(悪意をもって中傷し)、関係を断絶させるために非難する者。
・「サタン」→非難する者。
12:10 私は、大きな声が天でこう言うのを聞いた。「今や、私たちの神の救いと力と王国と、神のキリストの権威が現れた。私たちの兄弟たちの告発者、昼も夜も私たちの神の御前で訴える者が、投げ落とされたからである。
竜が地上に投げ落とされたことは、神の救いの現れです。この救いは、私たちの兄弟が悪魔の告発を無力なものとして退けることが具体的に現されたからです。力は、そのために働かせられた神の力の現れです。御国は、彼らの報いが実現することです。告発者が取り除かれることで、彼らに与えられた称賛と栄光と誉れが輝くことになります。それらを確かなものとして実現したのは、キリストの権威によることです。キリストは、その権威によって人々を変え、ご自分と同じ者にするために働いてこられました。その結果としての救いが今実現することで、キリストの権威が確かなものであることが現されるのです。
悪魔は、もはや聖徒たちを告発することができなくなります。かつては、ヨブを訴えたことが記されています。そして、私たちの見えないところで、日夜訴えていたのです。神の御前に、彼は、出ることが許されていたのです。しかし、告発者は、投げ落とされます。十四節の言葉から、投げ落とされた竜は、イスラエル民族を表す女を追いかけますが、彼女は、一時と二時と半時の間荒野で養われます。これは、いわゆる患難時代の始まりです。ここで言及されている「私たちの兄弟たち」は、患難が始まる以前に告発者であるサタンから日夜告発を受けていた信者のことを指しています。いわゆる新約の信者のことです。
12:11 兄弟たちは、子羊の血と、自分たちの証しのことばのゆえに竜に打ち勝った。彼らは死に至るまでも自分のいのちを惜しまなかった。
彼らの勝利は、肉体の命の安全が保たれることではありません。彼らが勝利したのは、子羊の血によります。彼らは、義とされています。どんなに試みられたとしても、その義の立場が揺るぐことはありません。
また、自分たちの証しの言葉は、彼らを勝利に導きました。これは、彼らの信仰の表明です。信じているとおりに行動したのです。それが証しの言葉となって現れました。その証しのために命を失うことになったのです。しかし、彼らは、死に至るまで命を惜しみませんでした。信仰告白の中に生きることが勝利であるのです。神の言葉を信じて、その中に生きることが勝利です。これは、福音のすべてを含みます。永遠の滅びからの救いにかかわる信仰告白だけではありません。
・「兄弟たち」→彼ら。前節の「兄弟たち」を受けている。
12:12 それゆえ、天とそこに住む者たちよ、喜べ。しかし、地と海はわざわいだ。悪魔が自分の時が短いことを知って激しく憤り、おまえたちのところへ下ったからだ。」
天では、サタンの働きは、すべて排除されました。それで、天とそこに住む者たちは、喜ぶことができます。
しかし、地と海には、災いが来ます。サタンは、自分の時が短いことを知ったとき、激しく怒りました。彼は、神の裁きに服することにあくまでも抵抗する者であるのです。自分の悪を認めることがありません。サタンは、この世界で神に対する抵抗を続け、御業を破壊しようとするのです。
12:13 竜は、自分が地へ投げ落とされたのを知ると、男の子を産んだ女を追いかけた。
12:14 しかし、女には大きな鷲の翼が二つ与えられた。荒野にある自分の場所に飛んで行って、そこで一時と二時と半時の間、蛇の前から逃れて養われるためであった。
竜が女を追いかけたのは、地上に投げ落とされてからです。女は、自分の場所である荒野で養われることになります。それは、三年半を表す期間です。ですから、このことが起こるのは、特徴的な期間である三年半に言及していますので、艱難時代です。六節には、千二百六十日の間荒野で養われることが記されています。ここには、そこに逃げる経緯についてさらに詳しく記されています。
12:15 すると蛇はその口から、女のうしろへ水を川のように吐き出し、彼女を大水で押し流そうとした。
荒野で養われていた女を水で滅ぼそうとしました。水は、言葉の比喩です。通常は、神の言葉を指しますが、ここでは、悪魔が用いる惑わしの言葉です。川は、霊の比喩です。通常聖霊の比喩ですが、ここでは、悪霊の比喩です。蛇の攻撃は、惑わしです。
12:16 しかし、地は女を助け、その口を開けて、竜が口から吐き出した川を飲み干した。
彼女を助けたのは、地でした。悪魔の惑わしから守るものは、この地のものでした。悪魔がイスラエルを滅ぼそうとする試みは、破れました。
12:17 すると竜は女に対して激しく怒り、女の子孫の残りの者、すなわち、神の戒めを守り、イエスの証しを堅く保っている者たちと戦おうとして出て行った。
12:18 そして、竜は海辺の砂の上に立った。
竜は、矛先を変えました。今度は、女の残りの者のほうへ向かったのです。残りの者とは、神の戒めを守り、その証しを保っている者たちです。これは、女の本体とは異なっていることを示しています。女は、イスラエル民族です。彼らは、この世に紛れていて、この世によって守られます。サタンは、そのような者たちにではなく、神の戒めを守り、イエス様の証しを堅く保っているいる忠実な者たちに向かったのです。
彼は、海の砂の上に立ちました。海から獣を引き出すためです。