詩篇145篇

ダビデの賛歌。

 ヘブル語の二十二の基本字母を文頭に順に使っています。

א

145:1 私の神王よ私はあなたをあがめます。あなたの御名を世々限りなくほめたたえます。

 ダビデは、主を崇め、その御名を世々限りなく褒め称えることを表明しました。

ב

145:2 日ごとにあなたをほめたたえあなたの御名を世々限りなく賛美します。

 それは、毎日の賛美として捧げられます。

ג

145:3 主は大いなる方。大いに賛美されるべき方。その偉大さは測り知ることもできません。

 その方は、大いなる方であり、大いに賛美されるべき方です。その偉大さが計り知れないからです。

ד

145:4 代は代へとあなたのみわざをほめ歌いあなたの大能のわざを告げ知らせます。

 その御業は、世々に褒め歌われます。そのようにして、大能の業が告げ知られされます。

ה

145:5 私はあなたの主権の栄光の輝きあなたの奇しいみわざを語り伝えます。

 主権の栄光の輝き、奇しい御業をダビデは語り伝えます。

ו

145:6 人々はあなたの恐ろしいみわざの力を告げ私はあなたの偉大さを語ります。

 人々は、主の恐るべき力を語り、ダビデは、主の偉大さを数えます。人々は、力を語り、ダビデは、そこに現された偉大さに目を留め、それを数えます。

・「恐ろしい御業」→恐れる。動詞。恐れるは、恐怖と、恐れ畏むの両面があります。ここでは、次節で、人々が主を歌うことが取り上げられていますので、恐れ畏むことです。

・「語り」→数える。

ז

145:7 人々はあなたの豊かないつくしみの思い出をあふれるばかりに語りあなたの義を高らかに歌います。

 人々は、主がなされた良いことを語ります。そして、主の義を高らかに歌います。

・「いつくしみ」→良いこと。最も広い意味。

ח

145:8 主は情け深くあわれみ深く怒るのに遅く恵みに富んでおられます。

 主は、求める者に喜んで応える方です。同情深く、怒るのに遅く、契約を忠誠をもって果たされます。

・「情け深い」→求める者に喜んで答える神の性質。契約の条項です。

・「あわれみ深い」→同情心から。

・「恵み」→契約に対する忠誠。

ט

145:9 主はすべてのものにいつくしみ深くそのあわれみは造られたすべてのものの上にあります。

 主は、全てのものに主の目に適った良いことをされます。主は、全てのものを大切に扱われます。

・「いつくしみ深く」→良い。目に適っていること。

・「あわれみ」→胎。大切にする。

・「造られたもの」→業。

י

145:10 主よあなたが造られたすべてのものはあなたに感謝しあなたにある敬虔な者たちはあなたをほめたたえます。

 それで、主が造られた全てのものは、主に感謝します。それは、あなたにある敬虔な者たちのことで、主を褒め称えます。

 全てとは、限られた範囲での全てを意味します。ここでは、造られた全てのものは、あなたにある敬虔な者たちと言い換えられていますので、その範囲は、敬虔な者たちを指していることがわかります。それは、主の業として生み出された者たちです。

כ

145:11 彼らはあなたの王国の栄光を告げあなたの大能のわざを語ります。

 彼らは、王国の栄光を告げ、大能の業を語ります。

ל

145:12 こうして人の子らに主の大能のわざと主の王国の輝かしい栄光を知らせます。

 こうして、彼らの口を通して、主の大能の業と王国の栄光が輝かしいことが知らされます。

מ

145:13 あなたの王国は永遠にわたる王国。あなたの統治は代々限りなく続きます。

 その王国は、永遠にわたる王国です。

ס

145:14 主は倒れる者をみな支えかがんでいる者をみな起こされます。

 主は、倒れる弱い者を支え、屈んでいる力無い者を起こされます。

ע

145:15 すべての目はあなたを待ち望んでいます。あなたは時にかなって彼らに食物を与えられます。

 それで、全ての目が主を待ち望むのです。主は、その彼らに答え、時にかなって彼らに食物を与えられます。

 敬虔な者たちを満たす真の食物は、主イエス・キリストです。その方を知ることで満たされます。

פ

145:16 あなたは御手を開き生けるものすべての願いを満たされます。

 主は、御手を開き、生ける者全ての願いを満たされます。生ける者は、主の前に生きている者のことです。敬虔な者、主の契約のうちを歩む者のことです。

צ

145:17 主はご自分のすべての道において正しくそのすべてのみわざにおいて恵み深い方。

 主は、全てのことにおいて、正しい方です。その御業は、契約に対する忠誠をもって果たされます。契約を守る者に対しては、これを徹底的に果たされます。

ק

145:18 主を呼び求める者すべてまことをもって主を呼び求める者すべてに主は近くあられます。

 そのことは、この節において明確に記されていますが、主が契約を忠誠をもって果たす対象は、主を呼び求める者であり、真をもって主を呼び求める者です。そのような者に主は近いのです。求める者に喜んで応えるのです。主を呼び求めることが契約の当事者の一方の責任です。

ר

145:19 また主を恐れる者の願いをかなえ彼らの叫びを聞いて救われます。

 主を恐れる者の願いを叶えられます。彼らの叫びを聞いて救われるのです。

ש

145:20 すべて主を愛する者は主が守られます。しかし悪しき者はみな滅ぼされます。

 彼らについては、全て主を愛する者とも言われています。そのような者に契約を忠誠をもって果たされ、祝福を与えられるのです。

 しかし、悪き者は、皆滅ぼされます。

ת

145:21 私の口が主の誉れを語りすべて肉なる者が聖なる御名を世々限りなくほめたたえますように。

 そのような方ですから、自分自身が主の誉を語り、全ての肉なる者が聖なる御名を世々限りなく褒め称えますようにと言い表しました。その現された祝福に対して、その御名を褒め称えて、栄光を帰すことは相応しいことです。聖なる方を褒め称える者として、聖なる者となることこそ相応しいのです。