詩篇138篇

ダビデによる。

138:1 心を尽くして私はあなたに感謝をささげます。御使いたちの前であなたをほめ歌います。

 ダビデは、主に心を尽くして感謝をささげることを表明しました。それは、御使いたちの前でと言い表されているように御座におられる方に対して捧げられています。その感謝は、御名を褒め称えることでもあります。

138:2 私はあなたの聖なる宮に向かってひれ伏し恵みとまことのゆえに御名に感謝します。あなたがご自分のすべての御名のゆえにあなたのみことばを高く上げられたからです。

 彼は、御座の主を覚えていましたが、具体的には、エルサレムの宮に臨在される主にひれ伏します。その感謝は、恵みとまことに対するものです。この恵みが契約を果たすことであることは、後半の言葉からも分かります。主は、御言葉によって御心を示し、また、契約を示されます。この場合には、それによって栄光を現すことが示されていて、契約のことです。主は、その御言葉どおりに事をなすことで、御言葉を高く上げられました。それは、主の御名のゆえに果たされたのであり、それによって主の栄光が現されるのです。

・「恵み」→契約に対して忠誠をもって果たすこと。

・「まこと」→真実。契約を真実をもって果たすこと。

138:3 私が呼んだその日にあなたは私に答え私のたましいに力を与えて強くされました。

 主は、ダビデ一人に応える方です。彼が主を呼んだ日に、彼に応え、彼のたましいに力を与えました。ダビデが求めていたことは、たましいが力強く主の言葉に従って生きることです。主は、それを実現してくださいます。

138:4 主よ地のすべての王はあなたに感謝するでしょう。彼らがあなたの口のみことばを聞いたからです。

138:5 彼らは主の道について歌うでしょう。主の栄光が大きいからです。

 地の全ての王が感謝するでしょうと。彼らが主の言葉を聞いたからです。それは、聞いて、その言葉通りの主の栄光が現されたのを見たからです。彼らの感謝については、歌うと言い換えられています。ほめ歌なのです。ダビデも、感謝と初めに言い表し、あなたをほめ歌うと言い換えています。この感謝は、栄光に対する賛美なのです。主の御名の栄光そのものに対する感謝なのです。

138:6 まことに主は高くあられますが低い者を顧みてくださいます。しかし高ぶる者を遠くから見抜かれます。

 主は、高くあられますが、低い者を顧みられます。しかし、自分を高くする者を遠くから知っておられます。

・「低い者」→謙る者。

・「高ぶる者」→高められた(または高揚した)、強力な、傲慢な

・「見抜く」→知る。

138:7 私が苦しみの中を歩いてもあなたは私を生かしてくださいます。私の敵の怒りに向かって御手を伸ばしあなたの右の手が私を救ってくださいます。

 主は、彼が苦しみの中を歩いても、生かしてくださいます。主の手が救ってくださるのです。彼にとって救いは、たましいが御心に従って「生きる」ことなのです。主は、生かしてくださいます。

138:8 主は私のためにすべてを成し遂げてくださいます。主よあなたの恵みはとこしえにあります。あなたの御手のわざをやめないでください。

 主は、ダビデのためにすべてを成し遂げられます。それは、全て契約に基づくものです。ダビデ自身がいつでも主の言葉に従うことを求めしました。主は、困難な中でも、彼が主の言葉に従うようにしてくださったのです。そのようになダビデに対して、契約を果たされたのです。その契約を果たすことはとこしえまであるのです。

 彼は、その手の業を止めないで下さいと願いました。主が契約を果たされることで、主の栄光が現されるからです。