詩篇130篇

都上りの歌。

130:1 主よ深い淵から私はあなたを呼び求めます。

 この人の求めは、不義からの贖いです。都上りの歌として、主に近づこうとする人の求めです。そこは、深い淵であり、彼は、主から離れていました。しかし、彼を覆っていたのは、水であり、彼は、水が比喩として表す御言葉はあったのです。しかし、それが光となって彼に届くことはありませんでした。それが深い淵の意味するところです。

・「深い淵」→深み。

130:2 主よ私の声を聞いてください。私の願いの声に耳を傾けてください。

 彼は、主が願いの声を聞いてくださることを繰り返し求めました。

130:3 主よあなたがもし不義に目を留められるなら主よだれが御前に立てるでしょう。

130:4 しかしあなたが赦してくださるゆえにあなたは人に恐れられます。

 彼は、主が不義に目を留められず、赦してくださる方であることを信じて求めています。赦してくださる方であるから人の恐れられますと言い表し、主がそうせざるを得ないような強い求めになっています。

 彼は、自分の不義が赦されないならば、観前に立つことができないことを言い表し、主の前にきよくあることを強く求めています。

130:5 私は主を待ち望みます。私のたましいは待ち望みます。主のみことばを私は待ちます。

130:6 私のたましいは夜回りが夜明けをまことに夜回りが夜明けを待つのにまさって主を待ちます。

 彼は、主を待ち望みました。主の御言葉を待ち望んだのです。その御言葉は、主が不義を赦す契約の言葉です。彼は、御言葉の光のないところにいました。彼が待ち望んでいたのは、光です。夜回りが夜明けを待つように光を待っていました。

 今日、私たちは、聖書を手にしています。しかし、神の言葉が光として自分に届かないことはあるのです。その言葉を確信し、その中に生きることができないことがあるのです。アサフも惑いました。彼は、聖所で悟ったのです。

130:7 イスラエルよ主を待て。主には恵みがあり豊かな贖いがある。

 彼は、主が契約を忠誠をもって果たされることを確信していました。その契約は、「贖い」の約束です。主を信じる者を義とし、御言葉を守るものに祝福を与え、罪から守り、義の歩みをさせてくださいます。そして、義の歩みに対して、永遠の報いとしての資産を賜るのです。

 今日、聖霊を内住する信者は、信仰により、神の力によって、義の歩みをする者とされています。

・「恵み」→契約に対する忠誠。契約を徹底的に果たすこと。

・「贖い」→罪の赦しと、罪に支配されない状態にすること。今日、聖霊による歩みによって実現される。

130:8 主はすべての不義からイスラエルを贖い出される。

 主は、全ての不義からイスラエルを贖い出されます。彼らの罪を赦し、近づけさせ、義の道に歩ましめます。彼自身このことを確信していたし、すべての者がそうされることを願っていたのです。