歴代誌第二14章
14:1 アビヤは先祖とともに眠りにつき、人々は彼をダビデの町に葬った。彼の子アサが代わって王となった。彼の治世になって十年の間、国は平穏であった。
14:2 アサは、自分の神、主の目にかなう良いことを行った。
アサには、十年の間、彼の治世すなわち「彼の国と彼の時」において平穏が与えられました。それは、彼が主の目に適う良いことを行ったからで、六節に説明されています。
14:3 彼は異教の祭壇と高き所を取り除き、石の柱を砕き、アシェラ像を切り倒し、
14:4 ユダの人々に命じて、彼らの父祖の神、主を求めさせ、その律法と命令を行わせた。
彼は、偶像に関わるものを除きました。ここには、その順について、祭壇と高き所がはじめに記されています。これは、ユダの人々が偶像に対して礼拝行為をする直接的なものです。今行われていることあるいは、行う可能性のあるものを取り除いたのです。
次に、石の柱です。石の柱は、像よりも意味のないもののように見えますが、石の柱は、教えと証しを表しています。これは、非常に影響力が大きいのです。偶像礼拝は、偶像の教えに従うことなのです。
そして、アシェラ像すなわち幸福の神を取り除きました。これは、偶像礼拝を象徴するものです。像自体には、なんの力もないですが、神を象徴するものとして置かれていますので、取り除くのです。
そのうえで、ユダの人々の父祖の神、主を求めさせました。ここで、父祖の神と記されているのは、ユダの人々の現状は、主を神としていなかったからです。彼らの神ということはできなかったのです。
そして、神、主を求めることは、具体的には律法と命令を行うことであるのです。
14:5 彼はユダのすべての町から高き所と香の台を取り除いた。こうして、王国は彼のもとに平穏であった。
そして、もう一度、高き所と香の台を取り除いたことが記されています。そのようにしたことで、王国がアサのもとに平穏であったのです。
ここで、取り除いたものとして「香の台」が追記されています。「香の台」は、「太陽の柱」と定義されています。これは、アシェラとは、別の神と考えられます。その柱を取り除いたのです。
14:6 彼はユダに防備の町々を築いた。主が彼に安息を与えられたので、当時数年の間、国は平穏を保ち、彼と戦う者はいなかった。
14:7 彼はユダの人々に言った。「さあ、これらの町々を建て、その周りに城壁とやぐらを巡らし、門とかんぬきを設けよう。この地はまだ私たちの前にある。私たちが私たちの神、主を求めたからだ。私たちが求めたので、神は周囲の者たちから私たちを守り、安息を下さったのだ。」こうして、彼らは町々を建設し、繁栄した。
アサは、防備の町々を建てました。神様が平穏を与えたときに、彼は、戦いに備えたのです。彼は、その呼びかけの中で、主を求めたことで、主が平穏を与えられたことを言い表しています。このことは、幸いです。私たちは、今与えられている平穏が主に従っているからだということを深く理解しているならば、ますます主に従うことができるからです。
14:8 アサには、大盾と槍を携えたユダの兵が三十万、盾を持ち弓を引くベニヤミンの兵が二十八万あり、これらはみな勇士であった。
14:9 さて、クシュ人ゼラフが、彼らに向かって百万の軍勢と三百台の戦車を率いて出陣し、マレシャにまで攻めて来た。
14:10 アサは彼に対して出陣し、マレシャにあるツェファテの谷で戦いの備えをした。
クシュのゼラフとの戦いがありました。その兵力の差は、非常に大きなものでした。ゼラフとその軍は、エルサレムの西南四十キロメートルのマレシャに至りました。アサは、そのような兵力の差を承知で出陣しました。
14:11 アサは自分の神、主を呼び求めて言った。「主よ、力の強い者を助けるのも、力のない者を助けるのも、あなたには変わりはありません。私たちの神、主よ、私たちを助けてください。私たちはあなたに拠り頼み、御名によってこの大軍に向かって来ました。主よ、あなたは私たちの神です。人間が、あなたに力を行使することのないようにしてください。」
アサのしたことは、主を呼び求めることでした。命をかけた戦いですが、そのようなときに彼が主を呼び求めたことは、彼の歩みが常にそのようであったことを思わされます。
彼は、祈りで、この戦いが御名によることを言い表しています。主が助けることで、人が主に対して無力であり、主の御名が現されるためです。そして、主が助けるのに、兵力の大小は関係ないことを言い表し、彼は、その力において人を遥かに超えた力を持っている主の御名を知っていたのです。
ここには、祈りの模範が示されています。私たちの祈りは、自分の都合が満たされることを第一に考えますが、主の御名が現されることを第一に祈ることが大切です。
14:12 主はアサとユダの前でクシュ人を打たれたので、クシュ人は逃げ去った。
14:13 アサおよび彼とともにいた兵は、彼らをゲラルまで追撃した。クシュ人は倒れ、生きている者はいなかった。主とその陣営の前に打ち砕かれたからである。兵たちは非常に多くの分捕り物を持ち帰った。
アサが主を呼び求めたことに対して、主が応えられました。主は、クシュ人を打ちました。
アサとユダは、ゲラルまで追撃し、一人も生きていないようにしました。
14:14 彼らはまた、ゲラル周辺のすべての町も打ち倒した。主の恐れがその町々にあったからである。彼らはすべての町で略奪した。そこには多くの略奪できる物があったからである。
14:15 また家畜の群れの天幕も襲い、多くの羊とらくだを奪って、エルサレムに帰った。
更にゲラル周辺の町々を打ち倒しました。それができたのは、その町々に主の恐れがあったからです。彼は、単にゼラフの進撃を止め、撃破するだけでなく、国境の町々を打つことになります。このように徹底的に敵を打つことで、主の力の偉大さが現されたのです。神様は、人の思いを超えて、求める者に大きな力を現される方です。