創世記39章

39:1 一方、ヨセフはエジプトへ連れて行かれた。ファラオの廷臣で侍従長のポティファルという一人のエジプト人が、ヨセフを連れ下ったイシュマエル人の手からヨセフを買い取った。

39:2 主がヨセフとともにおられたので、彼は成功する者となり、そのエジプト人の主人の家に住んだ。

 彼は、ポティファルに売られましたが、主は、彼とともにおられ、力を発揮する人でした。その力は、主がともにいたことで与えられたものです。主は、彼を通してご自分の力を現されたのです。

 イエス様は、父から遣わされた方として父の業を行いました。それは、イエス様のうちにおられる父がその業をしておられたのです。

ヨハネ

14:10 わたしが父のうちにいて、父がわたしのうちにおられることを、信じていないのですか。わたしがあなたがたに言うことばは、自分から話しているのではありません。わたしのうちにおられる父が、ご自分のわざを行っておられるのです。

14:11 わたしが父のうちにいて、父がわたしのうちにおられると、わたしが言うのを信じなさい。信じられないのなら、わざのゆえに信じなさい。

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・「成功する者」→勃発する。打ち出す。力強くやって来る。すなわち、力を発揮する。この後の説明では、いろいろな分野で力を発揮することが記されています。

39:3 彼の主人は、主が彼とともにおられ、主が彼のすることすべてを彼に成功させてくださるのを見た。

 彼の主人は、ヨセフとともに主がおられることを見ました。主がかれのなすすべてのことにおいて、力強さを発揮させるのを見ました。

39:4 それでヨセフは主人の好意を得て、彼のそば近くで仕えることになった。主人は彼にその家を管理させ、自分の全財産を彼に委ねた。

 それで、ヨセフは、主人の目に適い、主人のそば近くで仕えることになりました。主人は、その家を管理させ、自分の全財産を委ねました。

39:5 主人が彼にその家と全財産を管理させたときから、主はヨセフのゆえに、このエジプト人の家を祝福された。それで、主の祝福が、家や野にある全財産の上にあった。

 主は、ヨセフのゆえにこの家を祝福しました。全財産の上に祝福があったのです。

39:6 主人はヨセフの手に全財産を任せ、自分が食べる食物のこと以外は、何も気を使わなかった。しかもヨセフは体格も良く、顔だちも美しかった。

 主人は、ヨセフに全財産を任せました。すべてを委ねて安心していることができました。

 彼は、主人の家で、財産の管理という仕事をし、訓練を受けたのです。後に、エジプト全土の財産を管理するようになります。そのための訓練です。

 彼は、外観もよかったのです。

39:7 これらのことの後、主人の妻はヨセフに目をつけて、「一緒に寝ましょう」と言った。

 主人の妻は、関係を求めてきました。

 彼は、聖さを試されました。神の業をなすためには、聖いことが必要です。一点の曇りもないことが証明される必要があったのです。

39:8 しかし彼は拒んで、主人の妻に言った。「ご覧ください。ご主人は、家の中のことは何でも私に任せ、心配せずに全財産を私に委ねられました。

39:9 ご主人は、この家の中で私より大きな権威をふるおうとはせず、私がするどんなことも妨げておられません。ただし、あなたのことは別です。あなたがご主人の奥様だからです。どうして、そのような大きな悪事をして、神に対して罪を犯すことができるでしょうか。」

 ヨセフは、それが罪になることを明確に告げ、拒みました。

39:10 彼女は毎日ヨセフに言い寄ったが、彼は聞き入れず、彼女のそばに寝ることも、一緒にいることもしなかった。

 彼女は、毎日言い寄りましたが、ヨセフは、一緒にいることもしませんでした。一切の隙を与えなかったのです。これは、誘惑を防ぐ良い方法です。

39:11 このようなある日のこと、彼が仕事をしようとして家に入ると、家の中には、家の者が一人もいなかった。

 ある日、家の中に家の者が一人もいませんでした。

39:12 彼女はヨセフの上着をつかんで、「一緒に寝ましょう」と言った。しかしヨセフはその上着を彼女の手に残し、彼女から逃れて外へ出た。

 彼女は、待ち構えていたかのようにヨセフに言い寄りました。彼女の計略によることが伺えます。

 それでも、ヨセフは、掴まれた上着を残して外へ逃げました。

39:13 彼が上着を彼女の手に残して外へ逃げたのを見ると、

39:14 彼女は家の者たちを呼んで、こう言った。「見なさい。私たちに対していたずらをさせるために、主人はヘブル人を私たちのところに連れ込んだのです。あの男が私と寝ようとして入って来たので、私は大声をあげました。

39:15 私が声をあげて叫んだのを聞いて、あの男は私のそばに上着を残して、外へ逃げて行きました。」

 女主人は、自分の思い通りに決してならないことを悟り、今度は、ヨセフを恨み濡れ衣を着せました。

39:16 彼女は、ヨセフの主人が家に帰って来るまで、その上着を自分のそばに置いておいた。

39:17 彼女は主人に、このように告げた。「あなたが私たちのところに連れて来た、あのヘブル人の奴隷は、私にいたずらをしようとして私のところに入って来ました。

39:18 私が声をあげて叫んだので、あの男は私のそばに上着を残して、外へ逃げました。」

39:19 彼の主人は、「あなたの奴隷がこのようなことを私にしました」と告げた妻のことばを聞いて、怒りに燃えた。

 彼女は、夫に告げ、主人は、怒りに燃えました。

39:20 ヨセフの主人は彼を捕らえ、王の囚人が監禁されている監獄に彼を入れた。こうして彼は監獄に置かれた。

 主人は、ヨセフを捕え、監獄に入れました。

39:21 しかし、主はヨセフとともにおられ、彼に恵みを施し、監獄の長の心にかなうようにされた。

 しかし、主は、ヨセフとともにおられました。それは、契約を忠誠をもって果たすこととして現されました。彼は、投獄されても、主を恐れ、主の前に謙り、主を信頼していたのです。主は、彼の信仰に応えられたのです。徹底的にその契約を果たし、祝福を与えたのです。彼は、監獄の長の心に適うようにされました。

 今度は、彼は、人を管理する訓練を受けます。王の囚人であり、身分の高い者たちが多かったのです。そのような人々を管理する訓練です。それは、王に次ぐ者として首長たちを治めるための訓練です。

・「恵み」→契約に対する忠誠。

39:22 監獄の長は、その監獄にいるすべての囚人をヨセフの手に委ねた。ヨセフは、そこで行われるすべてのことを管理するようになった。

 ヨセフは、全ての囚人を管理し、全てのことを管理しました。

39:23 監獄の長は、ヨセフの手に委ねたことには何も干渉しなかった。それは、主が彼とともにおられ、彼が何をしても、主がそれを成功させてくださったからである。

 主は、何をしても彼に力を発揮させました。主が共におられることを証しし、訓練されました。