詩篇84編
指揮者のために。ギテトの調べにのせて。コラ人による。賛歌。
84:1 万軍の主よあなたの住まいはなんと慕わしいことでしょう。
84:2 私のたましいは主の大庭を恋い慕って絶え入るばかりです。私の心も身も生ける神に喜びの歌を歌います。
神の住まいである宮を慕っています。これは、単に宮という場所の幸いを言い表しているだけでなく、神のみそばにある幸いと、七節にあるように、歩みの末にその方の前に現れ、神の評価を受けるからです。十、十一節には、さらに詳しくそのことが記されています。
84:3 雀さえも住みかを 燕もひなを入れる巣をあなたの祭壇のところに得ます。万軍の主私の王私の神よ。
雀も、神を慕っているのです。まして主を知る自分は、より慕っているのです。その方は、万軍の主であり、力ある方です。そして、私の王です。これは、自分を治める方、そして、神である支配者です。
84:4 なんと幸いなことでしょう。あなたの家に住む人たちは。彼らはいつもあなたをほめたたえています。セラ
神の家に住む人たちは、レビ人です。祭司であり、奉仕者です。彼らが幸いなのは、いつも主を褒め称えているからです。主の栄光を間近に覚え、褒め称えているのです。
84:5 なんと幸いなことでしょう。その力があなたにあり心の中にシオンへの大路のある人は。
「力があなたにあり」とは、神様のみを頼ることです。自分の頼らない人のことです。
「シオンへの大路のある人」とは、神の前に現れることを求めて歩むことを表現しています。神から評価されることを心の内に考えている人のことです。
84:6 彼らは涙の谷を過ぎるときもそこを泉の湧く所とします。初めの雨もそこを大いなる祝福でおおいます。
涙の谷と言われる所は、涙を流さなければならない厳しい経験をするところです。それは、悲しみであったり、苦しみであったりします。谷を通り過ぎることは、それを経験することを表しています。
しかし、彼らは、そのようなところを泉の湧く所とします。泉は、聖霊の比喩です。聖霊によって歩み、いのちの経験をするのです。
また、初めの雨は、秋の乾季の後に降る最初の雨で、種蒔きの後に作物が育つ上で必要な大切な雨です。ですから、初めの雨と記すことで、これが実の収穫と関係していることがわかります。また、雨は、御言葉の比喩でもあります。雨が大いなる祝福で覆うことは、大いなる収穫をもたらすことを表しています。彼らは、涙の谷で、御言葉に従うことで、大いに実を結ぶ人たちであるのです。困難の中で大いに実を結ぶのです。
彼らは、涙の谷と言われる困難の中で、聖霊に満たされ、いのちの内に歩み、御言葉に従うことで大いなる実を結ぶのです。
84:7 彼らは力から力へと進みシオンで神の御前に現れます。
彼らは、神の御前に立つのです。単に立つだけでなく、困難の中でも、神の言葉の内に歩んだ者として、大いに評価されるのです。
私たちはまた、御国において主の前に立ちます。現れるのです。それは、栄光を受ける者として立つことを表しています。そのことは、次節以降に記されています。宮の庭にいることがなぜ幸いかということが記されています。十一節の言葉です。
84:8 万軍の神主よ私の祈りを聞いてください。ヤコブの神よ耳を傾けてください。セラ
84:9 神よわれらの盾をご覧ください。あなたに油注がれた者の顔に目を留めてください。
十一節では、神が盾であることを言い表していますが、自分たちの盾は、力ないものであることを訴えているのです。これは、無力を訴え、助けを求めているのです。
また、「油を注がたれ者」と表現しているのは、六節で「泉の湧く所とします」と言い表しているように、困難の中でも誠実に歩む人のことです。通常は、「油注がれた者」は、王や祭司、預言者を指しますが、ここでは、聖霊によって歩む人のことです。
84:10 まことにあなたの大庭にいる一日は千日にまさります。私は悪の天幕に住むよりは私の神の家の門口に立ちたいのです。
84:11 まことに神である主は太陽また盾。主は恵みと栄光を与え誠実に歩む者に良いものを拒まれません。
神の家にいる幸いを言い表していますが、それを具体的に示しています。
「太陽」は、「恵みと栄光を与え」る方を表現しています。恵みは、契約を忠誠をもって果たすことでの恵みです。御言葉に従い契約を守る者に対して、徹底的に契約による祝福を与える方です。そして、そのように歩む者に対して栄光を与えます。それを太陽の輝きのように豊かに与える方であることを表現しています。
誠実に歩んだことに対して、良いものを拒まれないのであり、大いなる報いが与えられることを表しています。
盾は、守りを表しますが、神が力であることを表しています。そのことは、次の節に言い表されています。
・「恵み」→契約に対する忠誠。
84:12 万軍の主よなんと幸いなことでしょう。あなたに信頼する人は。
万軍の主は、力ある方を表現しています。その方に信頼する幸いを言い表しています。盾としての神様のことです。