詩篇65篇
指揮者のために。賛歌。ダビデによる。歌。
65:1 神よ御前には静けさがありシオンには賛美があります。あなたに誓いが果たされますように。
神の御前には、神に対する信頼による沈黙があります。シオンは、神の都であり、人を指しています。そこには、神の栄光に対する賛美があります。神に対する信頼に対して、神が栄光を現されます。このことは、詩篇62篇に見ることができます。
詩篇
62:1 私のたましいは黙ってただ神を待ち望む。私の救いは神から来る。
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また、誓いが果たされることは、神を恐れるところから来ます。誓いは、人前のものではありません。嘘偽りのない信仰の歩みの現れなのです。人がそのように歩むことに対して、神は応えられるのです。そして、栄光が現されます。その栄光のために祈っています。
・「静けさ:H1747」→黙っていること。信頼の沈黙。待つこと。
65:2 祈りを聞かれる方よ、みもとにすべての肉なる者が参ります。
その方は、祈りを聞かれる方です。その祈りをする者は、肉なる者です。肉を持ち、罪を犯す者たちです。しかし、神は、そのような者たちの祈りを聞かれるのです。それで、身許にすべての肉なる者が来るのです。神は、そのようにして栄光を現されます。
65:3(自分に関して言えば) 数々の咎が私を圧倒しています。しかし私たちの背きをあなたは赦してくださいます。
自分に関して言えば、数々の咎が圧倒しているような者です。しかし、神はその背きの罪を赦してくださいます。その上で、祈りを聞かれるのです。
罪の赦しの方法は、律法に規定されています。その手続を踏むことで罪が赦されるのです。
65:4 幸いなことよあなたが選び近寄せられた人あなたの大庭に住む人は。私たちはあなたの家の良いものあなたの宮の聖なるもので満ち足ります。
神にある祝福を経験できる人の幸いを言い表しています。
その人は、神によって選ばれ、近寄せられた人です。それは、神の選びによります。
ヨハネ
6:44 わたしを遣わされた父が引き寄せてくださらなければ、だれもわたしのもとに来ることはできません。わたしはその人を終わりの日によみがえらせます。
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大庭に住むことは、比喩で、神の御傍にいつまでも留まることを表しています。それが幸いなのです。神の傍にいることが幸いです。
それは、神の家の良いもの、聖なるもので満ち足りているからです。良いものは、聖なるものです。この世のものとは分離した神にふさわしいものです。それで満ち足りることができます。
その満ちたらせる具体的な事柄は、次節以降に記されています。
65:5 私たちの救いの神よ。あなたは恐るべきみわざで義のうちに答えられます。あなたは地のすべての果て、遠い大海の信頼の的です。
一、救いの神
救いを与えるにあたって、恐るべき御業で応えられます。それは、人の思いを遥かに超えたものです。そして、それは、義の業です。神の義が現される業です。私たちの都合ではありません。神の義が基準です。それ故、神の栄光が現されるのです。
その力の及ぶ範囲については、地の果て、遠い大海です。そのような果の人々も、主に信頼します。
65:6 あなたは御力によって山々を堅く据え大能を帯びておられます。
65:7 あなたは海のとどろきを鎮められます。その大波のとどろきもろもろの国民の騒ぎを。
地の果て、遠い大海が信頼する理由について示されています。山々が堅く据えられるほどの大能を現されるのです。
海に関しては、海の轟を鎮められます。これは、後半に言い換えられていることから比喩になっていて、海の大波の轟は、諸々の国民の騒ぎであることがわかります。海は、選民であるイスラエル以外の民のことを指しています。
65:8 最果てに住む者もあなたの数々のしるしを恐れます。あなたは朝と夕の始まる所が高らかに歌うようにされます。
海と対比して、陸に住む者たちに対しての神の力の現れについて示しています。それは、最果てに住む者に対しても現され、彼らは数々のしるしに恐れるのです。
神が御業をなすので、あなたの歌が歌われるのです。これは、賛美の歌です。
・「あなたは朝と夕の始まる所が高らかに歌うようにされます。」→「あなたの歌の出てくるところを朝と晩に叫ばせます。」朝と夕の始まる所では、意味が通じない。
65:9 あなたは地を訪れ水を注ぎこれを大いに豊かにされます。神の川は水で満ちています。あなたはこうして地を整え人々の穀物を備えてくださいます。
神の業の具体が示されています。まず、地に豊かな実りをもたらされることが挙げられています。地に住む人々にとって、それは、神の大いなる御業です。ここには、比喩があり、霊的な祝福をもたらされることなのです。
一、あなたは地を訪れ水を注ぎこれを大いに豊かにされます。
水は、御言葉の比喩です。神が地を豊かにし、実を結ばせる方法は、御言葉を与えることです。そのために、神は、地を訪れられ、注がれます。それは、神様の熱意を表しています。地を大いに豊かにされるために、神自らそれをされるのです。
二、神の川は水で満ちています
「神の川」は、聖霊の比喩です。単に川ではなく、「神の」と記すことで、それが神に属していることを強調しています。また、実を実らせる働きが神のものであることを表しています。聖霊は、御言葉によって働きます。川が水で満ちていることはそのことを表しています。
三、あなたはこうして地を整え人々の穀物を備えてくださいます
→「あなたは穀物を備えてくださいます。なぜならば、あなたは、そのように地を備えるからです。」備えるは、二回使われています。原語の意味は「堅く打ち立てる」ことです。御言葉と聖霊の働きによって実を結ぶように堅く整えるのです。 「穀物を備える」という訳は、誰かのために用意するという意味に取られますが、そうではなくここでは、穀物が実を結ぶ素地を堅く打ち立てることにより、穀物が確実に実を結ぶことを同じ原語を使用することで関連付けており、確実に実行するという強い意味を前面に出しています。
65:10 地のあぜ溝を水で満たしその畝をならし夕立で地を柔らかにしその生長を祝福されます。
→「豊富な雨で地の畦をずぶ濡れにし、畦溝に下らせ、地を柔らかにし、成長を祝福されます。」
雨は、おしえの比喩で、雨としてもたらされるものは、御言葉です。御言葉をあふれるばかりに与えられます。それは、ずぶ濡れになるほどで、わずかに染み込んで終わりではないことを生き生きとした描写で表現しています。その水によって地は柔らかになります。御言葉を受け入れない頑なな心のままにはされないのです。御言葉には、御言葉を受け入れるようにする働きもあるのです。
その上で、実を結ぶように成長を祝福されます。実を結ぶためには、御言葉によって成長するという過程が必要です。実を結ぶというのは最後の過程であり、それまでの成長も重要な要素です。いきなり実を結ぶのではないからです。繰り返し自分に御言葉を適用して、成長していかないと実を結ばないのです。
65:11 あなたはその年に御恵みの(→良い)冠をかぶらせます。あなたの通られた跡には油が滴っています。
→「あなたは、その年に、御目にかなっているという冠をかぶらせます。」
その年にとは、実が結び、収穫を得た時のことです。その時、主は、その人を評価され、その人は、御心に適っているという栄誉を与えられます。
「あなたの通られた跡」は、神のなされた業の結果を表しています。実を結ぶこと、それは、主の業としてなされます。人が良い実を結ぶことは、人の行いに大いに関わっていますが、しかし、それは、人の努力によるというよりも、神の御業です。そのことは、「油が滴っている」ことによって表されています。この油は、あなたが通られた跡に直接関係づけられていて、神の業と関係づけられています。ですから、結ばれた実としての油ではありません。「油」は、聖霊の比喩です。滴っていることは、聖霊が豊かに働かれたことを表しています。聖霊がみことばによって働いた結果なのです。
65:12 荒野の牧場に滴りもろもろの丘も喜びをまとっています。
その油が、荒野の牧場に滴っていることも、これが神の業に直接関係していて、結ばれた実のことではないことがわかります。
荒れ地は、いのちのないところです。しかし、そこに命があることが示さます。
荒野の牧場は、神によって牧される羊の群れとしての人を表しています。そこにも聖霊が豊かに働かれます。羊のように従順に神に従うように働くのです。諸々の丘は、牧場としての神の群れを表していて、その全てに聖霊が働き、喜ぶのです。
65:13 牧草地は羊の群れをまとい広やかな平原(谷間)は穀物を覆いとしています。まことに喜び叫び歌っています。
→「喜びを叫んでおり、また歌います。」
前節の「喜び」については、牧草地が羊の群れをまとっているからです。羊のいのちの糧である牧草によって豊かに養われているのです。それは、御言葉と聖霊がもたらす豊かないのちを表しています。
平原と訳されていますが、原語の意味は、谷です。穀物が豊かな場所は、谷間が多いのです。急峻な谷ではなく、イズレエルの谷のように広い谷です。そこは、穀物を覆いとしており、豊かな実が結ばれ、そして、その穀物自体は、真の食物としてのイエス様を表しています。
いずれも、イエス様によって満たされる命にあふれているのです。それで、喜びを叫び、また歌うのです。そのようにして、神に栄光が帰せられます。
■雨について
レビ記
26:4 わたしは時にかなってあなたがたに雨を与える。それにより地は産物を出し、畑の木々はその実を結ぶ。
申命記
11:11 しかし、あなたがたが渡って行って所有しようとしている地は、山と谷の地であり、天からの雨で潤っている。
11:14 わたしは時にかなって、あなたがたの地に雨、初めの雨と後の雨をもたらす。あなたは穀物と新しいぶどう酒と油を集めることができる。
11:17 そうでないと、主の怒りがあなたがたに向かって燃え上がり、主が天を閉ざし、雨は降らず、地はその産物を出さなくなる。こうしてあなたがたは、主が与えようとしているその良い地から、たちまち滅び去ることになる。
28:12 主はその恵みの倉、天を開き、時にかなって雨をあなたの地に与え、あなたのすべての手のわざを祝福される。それで、あなたは多くの国々に貸すが、借りることはない。
28:24 主はあなたの地に降る雨をほこりに変え、天から砂ぼこりが降って来て、ついにはあなたは根絶やしにされる。
32:2 私のおしえは雨のように下り、私のことばは露のように滴る。若草の上の小雨のように。青草の上の夕立のように。
★雨は、「私のおしえ」と言い表されていて、教えを表します。
■誓いについて
詩篇
22:25 大いなる会衆の中での私の賛美はあなたからのものです。私は誓いを果たします。主を恐れる人々の前で。
24:4 手がきよく心の澄んだ人そのたましいをむなしいものに向けず偽りの誓いをしない人。
50:14 感謝のいけにえを神に献げよ。あなたの誓いをいと高き神に果たせ。
56:12 神よあなたへの誓いは私の上にあります。感謝のいけにえであなたにそれを果たします。
61:5 神よまことにあなたは私の誓いを聞き入れ御名を恐れる者の受け継ぐ地を私に下さいました。
61:8 こうして私はあなたの御名をとこしえまでもほめ歌い日ごとに私の誓いを果たします。
65:1 神よ御前には静けさがありシオンには賛美があります。あなたに誓いが果たされますように。
66:13 私は全焼のささげ物を携えてあなたの家に行き私の誓いをあなたに果たします。
66:14 それは私の苦しみのときに唇を大きく開きこの口で申し上げた誓いです。
76:11 あなたがたの神主に誓いを立てそれを果たせ。主の周りにいる者はみな恐るべき方に贈り物を献げよ。
105:9 それはアブラハムと結んだ契約イサクへの誓い。
116:14 私は自分の誓いを主に果たします。御民すべての目の前で。
116:18 私は自分の誓いを主に果たします。御民すべての目の前で。
119:106 私は誓いまたそれを果たします。あなたの義の定めを守ることを。
132:2 彼は主に誓いヤコブの力強き方に誓いを立てました。
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