ネヘミヤ記4章
4:1 サンバラテは私たちが城壁を築き直していることを聞くと、怒り、非常に憤慨して、ユダヤ人たちを嘲った。
城壁の再建について反対する人々の工作と、それに対する対応が記されています。
サンバラテがしたことは、まず、嘲ることです。これは、築き直す者たちの気力を失わせるためです。もし、気力を失えば、それ以上仕事は進まないのです。嘲ることで、ユダヤ人たちのしていることが空しいことであると思わせる工作なのです。
今日、信者が聖書に従って生きることに真の価値を見出していないと、すぐに躓きます。信者としての歩みが空しいことであると言い、信仰によって歩む気力を失わせられるからです。そのようにして、信仰の躓きを経験した方は多くいます。この世に行ってしまうのです。
4:2 彼はその同胞とサマリアの有力者たちの前で言った。「この哀れなユダヤ人たちは、いったい何をしているのか。あれを修復して、いけにえを献げようというのか。一日で仕上げようというのか。焼けてしまった石を瓦礫の山の中から拾って、生き返らせようというのか。」
ユダヤ人は、力がないと言いました。
彼らは、城壁再建の目的について、「いけにえを捧げようというのか。」と言います。これは、不名誉なことで、かつて彼らが、城壁の上でいけにえをささげていたことを指しています。
また、「一日で仕上げようというのか。」と言っています。いく日かかるかわからない仕事であり、無理だと言っているのです。それは、簡単な仕事ではありませんでした。無力なユダヤ人には、無理だと言っているのです。
「焼けてしまった石を瓦礫の山の中から拾って、生き返らせようというのか。」と。これは、材料の調達の難しさを指摘しています。石が焼けていること。また、瓦礫の中に埋もれていることです。
・「哀れな」→「衰弱した、力のない」ここでは、かわいそうなという意味で言っているのではない。弱々しいユダヤ人と言っているのです。
4:3 彼のそばには、アンモン人トビヤがいて、彼も「彼らが築き直している城壁など、狐が一匹上っただけで、その石垣を崩してしまうだろう」と言った。
トビヤは、弱々しい彼らが築く城壁は、弱々しいものだと言っています。狐さえ崩すことができると。
4:4 「お聞きください、私たちの神よ。私たちは軽蔑されています。彼らの侮辱を彼ら自身の頭上に返し、彼らが捕囚の地でかすめ奪われるようにしてください。
4:5 彼らの咎をおおい隠すことなく、彼らの罪を御前から消し去らないでください。彼らが、建て直している者たちを憤慨させたからです。」
彼らは、正しいことを行っている者たちを侮辱しました。それで、その侮辱を彼らの上に返してくださいと願いました。具体的に、捕囚の地でかすめ奪われることです。
建て直す者たちを侮辱した罪について、消し去らないでくださいと願いました。その理由は、建て直している人たちに怒りを引き起こしたからです。彼らが受け流すならば、侮辱の言葉は、何の意味も持たないのです。しかし、彼らの侮辱は、怒りを引き起こすものでした。怒ることで人は罪を犯します。神様に完全に委ねることをしないからです。侮辱の言葉は、そのようなことをさせてしまうのです。侮辱を浴びせた者に罪があります。人の罪を引き起こしたという点で罪なのです。
・「憤慨させた」→「怒りを引き起こした。」
4:6 こうして私たちは城壁を築き直し、城壁はすべて、その半分の高さまでつなぎ合わされた。民に働く気があったからである。
反対者たちの妨害は、気力を失わせるためです。しかし、ここには、城壁は、半分まで建て直されたことが記されています。彼らが気力を失うことなく、気力を持ち続けたからです。
4:7 サンバラテ、トビヤ、アラブ人、アンモン人、アシュドデ人たちは、エルサレムの城壁の修復がはかどり、割れ目もふさがり始めたことを聞いたとき、激しく怒り、
4:8 皆でエルサレムに攻め入って混乱を起こそうと、陰謀を企てた。
4:9 そこで私たちは、私たちの神に祈り、彼らに備えて昼も夜も見張りを置いた。
彼らは、城壁の修復が捗っているのを聞いた時、エルサレムに攻め入って混乱を引き起こそうとしました。これは、実力による攻撃です。
妨害の次の手は、実力によるものでした。そのことに対しては、神に祈りました。神に頼りました。その上で、日夜見張を置きました。
4:10 ユダの人々は言った。「荷を担ぐ者の力は弱り、瓦礫は山をなしている。城壁を築き直すことなど、私たちにできはしない。」
それと共に、ユダヤ人は、気力を失いかけてきました。まず、荷を担ぐ者の力が弱ってきたことです。それなのに、瓦礫は、山をなしていました。自分たちにはできないという者が出てきたのです。
これは、内部からのもので、それような弱気も、働きを弱めるものです。
4:11 私たちの敵は言った。「彼らが気づかないうちに、見つけないうちに、彼らの真ん中に入り込み、彼らを殺して、その工事をやめさせよう。」
4:12 そのため、彼らの近くに住んでいたユダヤ人たちはやって来て、四方八方から十回も私たちに言った。「私たちのところに戻って来てください。」
次は、密かに工事する者を殺す計画です。彼らは、そのためにユダヤ人を使い、誘い出そうとしました。これは、神の業に無関心な人、あるいは、この世のものに関心がある者を用いて、その働きを担う者を躓かせる働きです。
4:13 そこで私は、民をその家族ごとに、城壁のうしろの低い場所の空地に、剣や槍や弓を持たせて配置した。
そのような実力による攻撃に対して、家族ごとに武器を持たせ配置しました。いつでも戦う備えをさせたのです。
4:14 私は彼らの様子を見て立ち上がり、有力者たちや代表者たち、およびその他の人たちに言った。「彼らを恐れてはならない。大いなる恐るべき主を覚え、自分たちの兄弟、息子、娘、妻、また家のために戦いなさい。」
さらに、ネヘミヤは、彼らが恐れているのを見ました。それで、彼らを恐れてはならないと言い、大いなる恐るべき主を覚えるように言いました。彼らを奮い立たせるのは、主の御力を覚える時です。
そして、彼らは、自分たちの家族のために戦うのです。
4:15 私たちの敵が、自分たちの企みが私たちに悟られたこと、神がそれを打ち壊されたことを聞いたとき、私たちはみな城壁に戻り、それぞれ自分の工事に当たった。
その結果、敵は、自分たちの企みが知られたことを悟りました。失敗したと分かったのです。それは、神が打ち壊されたと聞いたのです。彼らは、神に祈り、神に頼りました。その結果は、神が打ち壊されたのです。それを聞くことは、さらに彼らにとって励みになります。
それで、彼らは、自分たちの工事に戻りました。
4:16 その日以来、私の配下の若い者の半分は工事を続け、もう半分は、槍、盾、弓、よろいで身を固めていた。隊長たちがユダの全家を守った。
彼らは、警戒を怠りませんでした。ネヘミヤの配下の者たちは、半分は、武器で身を固め、半分は工事に携わりました。隊長たちは、ユダ全家を守りました。
4:17 城壁を築く者たち、荷を担いで運ぶ者たちは、片手で仕事をし、片手に投げ槍を握っていた。
4:18 築く者はそれぞれ剣を腰にして築き、角笛を吹き鳴らす者は私のそばにいた。
彼らは、武器を手にして仕事をしました。そして、ネヘミヤのそばには、角笛を鳴らす者がおり、民を招集できるようにしました。
4:19 私は有力者たち、代表者たち、およびそのほかの人々に言った。「この工事は大きく、また範囲は広い。私たちは城壁の上で互いに遠く離れ離れになっている。
4:20 どこででも、角笛が鳴るのを聞いたら、私たちのところに集まって来なさい。私たちの神が私たちのために戦ってくださるのだ。」
そして、角笛が鳴った時、集まるように命じました。それと共に、その角笛を神が聞いてくださり、戦ってくださることを伝えました。
4:21 こうして私たちはこの工事を進めたが、その半分の者は、夜明けから星が現れるまで槍を手にしていた。
工事は、昼間は、半分の者が槍を手にしていました。
4:22 そのときまた、私は民に言った。「それぞれ自分の配下の若い者と一緒に、エルサレムの内側で夜を明かすようにしなさい。そうすれば、夜には見張りがいて、昼には働くことができる。」
そして、ネヘミヤは、民に、配下の者と一緒にエルサレムの内側で夜を過ごすように言いました。それは、夜も見張りがいるためです。彼らは、そのように、夜を過ごす場所を変えるだけで、城壁の再建に貢献しました。それは、快適ではないかもしれませんが、安全に再建を進めるためには、重要でした。
4:23 私も、私の親類の者も、私の配下の若い者たちも、私を守る見張りの人々も、私たちの中のだれも服を脱がず、水場でもそれぞれ投げ槍を持っていた。
ネヘミヤは、自分の親類や配下の者と共に、模範を示しました。服を脱がなかったのです。水場でも、投げやりを持ち、警戒を解きませんでした。日夜、常に、城壁の再建のために働いたのです。それは、公の働きだけでなく、日常をどのように過ごすかということによっても、続けられた働きです。
私たちは、教会の集会に集う時、証しを担う者として身を慎むでしょう。主の前に恥ずかしくない態度で歩み、集い、証しを担うように心がけると思います。陛下が目の前にいるような態度が求められます。陛下に付き従う者のように振る舞うのです。主の証しを担うのですから。
それと共に、集まりに集うことを離れた時でも、証しを担う者としてふさわしく歩むことが求められています。主は、そのような者を用いるのです。