エステル記3章

3:1 これらの出来事の後、クセルクセス王はアガグ人ハメダタの子ハマンを重んじ、彼を昇進させて、その席を彼とともにいる首長たちのだれよりも上に置いた。

 アガグは、御使いの頭の比喩です。彼は、高ぶりサタンと呼ばれます。

エゼキエル

28:12 「人の子よ。ツロの王について哀歌を唱えて、彼に言え。神である主はこう言われる。あなたは全きものの典型であった。知恵に満ち、美の極みであった。

28:13 あなたは神の園、エデンにいて、あらゆる宝石に取り囲まれていた。赤めのう、トパーズ、ダイヤモンド、緑柱石、縞めのう、碧玉、サファイア、トルコ石、エメラルド。あなたのタンバリンと笛は金で作られ、これらはあなたが創造された日に整えられた。

28:14 わたしは、油注がれた守護者ケルビムとしてあなたを任命した。あなたは神の聖なる山にいて、火の石の間を歩いていた。

28:15 あなたの行いは、あなたが創造された日から、あなたに不正が見出されるまでは、完全だった。

28:16 あなたの商いが繁盛すると、あなたのうちに暴虐が満ち、こうしてあなたは罪ある者となった。そこで、わたしはあなたを汚れたものとして神の山から追い出した。守護者ケルビムよ。わたしは火の石の間からあなたを消え失せさせた。

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イザヤ

14:12 明けの明星、暁の子よ。どうしておまえは天から落ちたのか。国々を打ち破った者よ。どうしておまえは地に切り倒されたのか。

14:13 おまえは心の中で言った。『私は天に上ろう。神の星々のはるか上に私の王座を上げ、北の果てにある会合の山で座に着こう。

14:14 密雲の頂に上り、いと高き方のようになろう。』

14:15 だが、おまえはよみに落とされ、穴の底に落とされる。

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3:2 それで、王の門のところにいる王の家来たちはみな、ハマンに対して膝をかがめてひれ伏した。王が彼についてこのように命じたからである。しかし、モルデカイは膝もかがめず、ひれ伏そうともしなかった。

 王の門の所にいる家来たちは、ハマンにひざをかがめひれ伏しました。王の命令があったからです。王は、ハマンがそのように振る舞うことを許しました。

 これは、悪魔がこの世の支配者として振る舞うことを神が許しておられることの比喩です。人々は、この世の支配者である悪魔をこの世の神としているのです。

3:3 王の門のところにいる王の家来たちは、モルデカイに「あなたはなぜ、王の命令に背くのか」と言った。

 人々は、ハマンを拝むことが王の命令だと思っていました。それこそ、最も価値あることと考えていたのです。しかし、それは、神が悪魔に許しておられたことで、この世の現象なのです。神の真の御心は、聖書を通して示されているのです。法令は、悪魔がこの世の支配者として許されている法令です。

 この世の人は、悪魔の支配のもとにあって、欲望のままに生きることが正しいと考えています。自己実現こそ価値あるものと考えているのです。信者であっても、なおそのように考えている人たちもいるのです。それが神の前に正しいことのように考えているのです。しかし、そのようなことは、悪魔を拝むことであるのです。

3:4 彼らは毎日そう言ったが、モルデカイは耳を貸そうとしなかった。それで、モルデカイのしていることが続けられてよいものかどうかを確かめようと、これをハマンに告げた。モルデカイが、自分がユダヤ人であることを彼らに打ち明けていたからである。

 モルデカイは、真の神を知る者としてハマンにひれ伏すことはありませんでした。人々は、自分と同じにしない者たちを受け入れません。

 すべての人は、悪魔に膝をかがめたのです。皆、悪魔が肉を誘惑するとき、悪魔に従ったのです。ただ一人膝をかがめなかったのは、主イエス様だけです。

ペテロ第一

4:1 キリストは肉において苦しみを受けられたのですから、あなたがたも同じ心構えで自分自身を武装しなさい。肉において苦しみを受けた人は、罪との関わりを断っているのです。

4:2 それは、あなたがたが地上での残された時を、もはや人間の欲望にではなく、神のみこころに生きるようになるためです。

4:3 あなたがたは異邦人たちがしたいと思っていることを行い、好色、欲望、泥酔、遊興、宴会騒ぎ、律法に反する偶像礼拝などにふけりましたが、それは過ぎ去った時で十分です。

4:4 異邦人たちは、あなたがたが一緒に、度を越した同じ放蕩に走らないので不審に思い、中傷しますが、

4:5 彼らは、生きている者と死んだ者をさばこうとしておられる方に対して、申し開きをすることになります。

4:6 このさばきがあるために、死んだ人々にも生前、福音が宣べ伝えられていたのです。彼らが肉においては人間としてさばきを受けても、霊においては神によって生きるためでした。

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 キリストは、肉をお持ちになられたので、苦しみを受けられるのです。肉を殺すためには、苦しみが伴うのです。しかし、肉を殺すならば、罪との関わりを断ちます。もはや、誘惑されてそれに従うことがないからです。悪魔は、手出ししようがありません。

3:5 ハマンはモルデカイが自分に対して膝もかがめず、ひれ伏そうともしないのを見て、憤りに満たされた。

3:6 しかし、ハマンはモルデカイ一人を手にかけるだけでは満足しなかった。モルデカイの民族のことが、ハマンに知らされていたのである。それでハマンは、クセルクセスの王国中のすべてのユダヤ人、すなわちモルデカイの民族を根絶やしにしようとした。

 悪魔の最初の目的は、世界の支配者となる方を滅ぼすことです。そのうえで、イスラエルを滅ぼすために働きます。

黙示録

12:1 また、大きなしるしが天に現れた。一人の女が太陽をまとい、月を足の下にし、頭に十二の星の冠をかぶっていた。

12:2 女は身ごもっていて、子を産む痛みと苦しみのために、叫び声をあげていた。

12:3 また、別のしるしが天に現れた。見よ、炎のように赤い大きな竜。それは、七つの頭と十本の角を持ち、その頭に七つの王冠をかぶっていた。

12:4 その尾は天の星の三分の一を引き寄せて、それらを地に投げ落とした。また竜は、子を産もうとしている女の前に立ち、産んだら、その子を食べてしまおうとしていた。

12:13 竜は、自分が地へ投げ落とされたのを知ると、男の子を産んだ女を追いかけた。

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3:7 クセルクセス王の第十二年の第一の月、すなわちニサンの月に、日と月を決めるためにハマンの前で、プル、すなわちくじが投げられた。くじは第十二の月、すなわちアダルの月に当たった。

 十二年、十二の月は、神の支配を強調しています。ハマンはくじで決めましたが、くじは、事は神の支配のもとにあることの比喩です。

 それとともに、ユダヤ人を滅ぼすことは、この世の終わりに実現することを表しています。それは、患難時代の比喩です。

3:8 ハマンはクセルクセス王に言った。「王国のすべての州にいる諸民族の間に、散らされて離れ離れになっている一つの民族があります。彼らの法令はどの民族のものとも違っていて、王の法令を守っていません。彼らをそのままにさせておくことは、王のためになりません。

 ユダヤ人は、王である神の法令に従っていませんでした。彼らの法令は、真の神の法令を与えられていながら、それを曲げ、結果的には背く法令でした。普通は、自分の神を捨てる民族はありません。その意味で、彼らの法令は、他のどの民族のものとも異なっていました。

 悪魔の提案は、神の法令を守らない民をそのままにさせておくことは、王のためにならないので滅ぼすというものです。

3:9 王様。もしよろしければ、彼らを滅ぼすようにと書いてください。私はその仕事をする者たちに銀一万タラントを量って渡します。そうして、それを王の宝物庫に納めさせましょう。」

 彼らを滅ぼすことは、王の許可が必要でした。神は、悪魔がユダヤ人を滅ぼすことを許可されたのです。

 そのための費用は、銀一万タラントです。一万は、原語では、千を単位として十で、完全に成し遂げることを表しています。この銀は、行政官としてのハマンが国の予算から支出するものです。この計画の実行は、神の業として実行されることを表しています。

 銀は、贖いの比喩で一切肉によらない歩みを表しています。それを実行する者たちは、肉の思いでそれを実行するのではなく、神の御心のために実行することを比喩として示しています。その業の正当性を主張しているのです。

 その銀は、最終的には、王の宝物庫に納めさせると言いました。それが成し遂げられることで、神に栄光が帰せられることを比喩として示しています。

 悪魔は、神の栄光のためにユダヤ人を滅ぼしましょうと言っているのです。これは、正論です。

3:10 王は自分の手から指輪を外して、アガグ人ハメダタの子で、ユダヤ人の敵であるハマンにそれを渡した。

3:11 王はハマンに言った。「その銀はおまえに与えられるようにしよう。また、その民族もその銀でおまえの好きなようにするがよい。」

 王は、その銀を受け取ることはしませんでした。それは、ハマンに与えられました。これは、神がその業によって栄光を受けることを求めなかったことを表していて、悪魔が自分の思いを遂げるためになす業としてそれを委ねたのです。

3:12 そこで、第一の月の十三日に、王の書記官たちが召集され、ハマンが、王の太守、各州を治めている総督、各民族の首長たちに命じたことがすべて、各州にその文字で、各民族にはその言語で記された。それは、クセルクセスの名で書かれ、王の指輪で印が押された。

 命令は、国中にすべての民族に分かる原語で記されました。書記官が召された日は、十三日でした。それは、七と六の組み合わせです。七は、満たす意味での完全、六は、人を表しています。人として完全に全うすることを表しています。全ての民族の言語で記されすべての民に命じられたことを表しています。十三の比喩は、民数記二十九章の仮庵の祭りの牛の捧げ物の数から判断できます。最初の日は、十三頭で、七日目には、七頭に減ります。

 王の名で書かれ、王の印が押されました。王の命令として実行されることを表してます。

3:13 書簡は急使によって王のすべての州へ送られた。それには、第十二の月、すなわちアダルの月の十三日の一日のうちに、若い者も年寄りも、子どもも女も、すべてのユダヤ人を根絶やしにし、殺害し、滅ぼし、彼らの家財をかすめ奪えとあった。

 十二月は、その数によって、神の支配のもとにそれが実行されることを表しています。

 その日は、十三日です。これは、人として完全に成し遂げることを表し、「すべての」ユダヤ人を根絶やしにすることを表しています。

3:14 各州に法令として発布される文書の写しが、この日の準備のために、すべての民族に公示された。

3:15 急使は王の命令によって急いで出て行った。この法令はスサの城でも発布された。このとき、王とハマンは酒を酌み交わしていたが、スサの都は混乱に陥った。

 神様は、事をなさる前に御言葉によってそれを明らかにされます。この文書の写しは、全てく民族に公示されました。神様の言葉は、全世界に及び、漏れることはないのです。急使で送られましたが、神の言葉は、速やかに伝えられることの比喩です。預言の言葉は、滞ることは許されません。

 スサのユダヤ人たちにとっては、混乱に陥る出来事でした。自分たちの命に関わることです。これは、神の言葉を受けた人々の態度の比喩です。信者であっても、肉に従うならば、滅びなのです。いわゆる救いの立場は、失われることはありませんが、神の前には、死です。実を結ばず、御国の報いはないのです。聖書では、信者に関してそれを滅びと表現してます。そのような滅びについて真剣に受け止め、肉を殺す歩みをしているか吟味する必要があります。

 悪魔は、その計略の実現を喜ぶのです。